アルムナイについて思う事 退職者は「資産」となりうる

荏原製作所が「アルムナイ制度」をスタート

https://alumnavi.com/ebara/

という記事を見て思ったこと。

(ちょこちょこ追記していってます)

 

やめていく人間が資産になり得る、在職時よりもその会社に貢献していくことがあるような、そんな社会になっていくのではないかと思っています。

 

アルムナイとは
アルムナイ(Alumni)とは、「卒業生」を意味します。ラテン語を語源とした英語で、従来は大学の卒業生を表す言葉として使われていました。

そこから転じて、人事領域では「企業の卒業生」や「OB/OG」「退職者」を意味します。

https://alumnavi.com/alumni/#i

 

やめていく人間=裏切り者である

の図式で企業が考える事は(私もそれを考えないわけではありませんが)、これからの世の中にマッチしない考えになってしまうのではないかと。

逆に、出ていく人間を会社の資産として考えることができれば、それは企業にとっても、退職者にとっても価値あるものになるのではないかと思っています。

理由はいくつもありますが、いくつか例を挙げると

 

①転職・副業が当たり前の世の中になる 

 必ずしも世の中がそうなるとは思いませんが、転職が当たり前の時代になりつつある中で、退職を経験する人間も増えていくことになる。

そんな中で、退職者という、新しいネットワークを手に入れた(入れる事になる)人間を、みすみすシャットアウトすることはもったいない。

 

そして、企業はこれから、コアな仕事以外は、どんどんと外注化させていくことになると考えています。

自社の強みになることに特化し、そうでないものは外注化させていく、外注化できる幅は広がっていき、今のコア業務と思われている部分も、次第に手放せるものは手放していくでしょう。

 

企業税務は「アウトソーシング時代が目前」

https://diamond.jp/articles/-/261277

 

そんな中、退職者というのは、曲がりなりにもその会社に関わった人間であり、その会社の実情を理解した人間です。これから高度なアウトソースを受け持つ会社も増えていきますが、退職者に自社が手放す仕事をお願いするネットワークがあれば、それで企業のスリム化ができるかもしれません。

 

②組織文化にマッチしない人間がやめていく(やめてもいい)社会になる。

転職が当たり前の世の中になれば、いい意味でも悪い意味でも、人が辞める理由は軽くなっていきます。

どんなにいい会社でも、そしてどんなにいい人材でも、会社の文化にマッチしなければ辞めていくかもしれません、自社ではマッチしなくても別の世界では活躍できる人間とのつながりを保つことは、当然ながら会社の可能性を広げることになります。

 

夢物語かな?いやいやそんな事はない。

考えられる未来はどんな事でしょう?(と調べているうちに、既に現実のものだったり)

企業がアルムナイのネットワークを構築する事で、どのような価値が生まれるでしょうか?

 

例えば、

・企業の外注化の受け口

先ほども書きましたが、そもそもいい関係で辞めることができていたら、これほどいい外注先はないですよね。仕事のクオリティが担保されていて、人間性もわかってるので。

(じゃあ何で辞めたの?とか思いそうですが、おそらくこのように関わるぐらいの円満退社は絶対に増えていくと思います。)

 

・自社と新規顧客とのパイプ役

辞めた人間がお客さんを紹介するわけがない、と思いますが、例えばフリーランスになった退職者、起業した退職者が、お客様に〇〇の分野で良いところを知っていないか?と聞かれる場面、いっぱいあると思います。そんな時に、その退職者に紹介されるような関係性が築けていれば(もちろん自社のサービスも満足してもらえると思っていれば)間違いなく紹介してもらえます。

 

それに、もしかしたら、自社の弱点を補った形(やりやすい形)で紹介を進めてくれる可能性もあります。

例えば銀行の融資審査部だった人が企業の財務部に入って、資金調達を行うなどの時、自社(銀行)の事情をわかった上で相談に来てくれる事になります。

(なぜ銀行員を引き合いに出したかというと、ちょっと前まで銀行は退職者との関係性作りを重視してないのかなと思っていたので)

少しでも一緒に仕事に関わった人間が、お客様を紹介してくれるというのは、自社の事情をわかった上で、いいお客さんを連れて来てくれる事になるので、とてもやりやすく、関係性も築きやすくなると思います。

逆に言えば、そんなチャンスをみすみす逃すよりも、絶対に今からアルムナイと関われる仕組みを作っておいた方がいいです。

 

夢物語かな?いやいやそんなことはなかった

このブログを書いている途中、色々記事を見ている中で、私が考えたことなんて、国も企業も既にやっている事が沢山ありました。。。。

 

ベネッセは現役社員と退職者の交流会をベネッセ本社で開催

ベネッセがアルムナイと現役社員の交流会「ホームカミングデイ」を開催!

https://alumnavi.com/benesse/

 

 

中外製薬はアルムナイ同士のオンライン交流会を開催

中外製薬アルムナイネットワークのオンラインイベントに潜入!

https://alumnavi.com/chugai-pharm-event/

 

なんと経産省も退職者とのネットワークを作っている

「OB/OGは民間と官庁の“翻訳者”」アルムナイネットワークが経済産業省にもたらした効果

https://alumnavi.com/meti1/

 

最初は1個の記事を紹介して終わりのつもりが、新しい記事を読むごとにどんどん面白くなって、分量が多くなりました(^_^;)

 

 

おそらくこれからの世の中で、退職者とのネットワークを作れる会社と、作れない会社とで大きな違いが生まれていきます。としか言えないぐらい、当たり前の事になっていく気がします。