あらゆるビジネスにおいての「適正化」を担う仕事が増えていくだろう、という話

コンテンツやサービスが増え続ける中で、最大限の効果を出すために

 

先日、オンライン秘書サービスを運営している事業者さんとお話をしてきました。

オンライン秘書サービスとは、スケジュール調整やアポイントメント、メール対応などの秘書業務、経理・財務・人事などの事務作業の代行や、営業やSNS運用などの業務をオンラインで行い、経営者や個人事業主の雑務を代行できるサービスの事です。(他にもいろいろありますが)

 

 有名なのがCASTER BIZ(https://cast-er.com/)やフジ子さん(https://fujiko-san.com/

チャットワークもチャットワークアシスタント(https://lp.chatwork.com/ja/assistant/)というサービスを行っていますね。

 メリットは、採用コストや、人件費の調整が可能な事、それなりの人が業務をこなしてくれるので教育に関するコストも減る事でしょうか。(税務的に言ったら、外注費になるので消費税も減りますね)

 

 

 同じような業務内容で言えば、例えばランサーズ(https://www.lancers.jp/)やココナラ(https://coconala.com/)のようなクラウドソーシングサービスもありますね。ここら辺は、単発でこの仕事をやって欲しい、とか、この業務だけをやる。みたいにお願いする形ですね。

 正直、この業務をやって欲しい、みたいな形で自分で探してしまえば、前者のオンライン秘書サービスよりも、後者のクラウドソーシングサービスの方が安くつきます。

 これはある意味当然で、前者は後者の仕事+その仕事の管理を行うわけで、後者は依頼する経営者が仕事の管理を行う必要があるからです。

 前者の秘書サービスは、後者の単発の仕事を行う人を探して、そこから、その仕事全体の管理・運用をしていく必要があるため、当然価格は高くなります。

私は価格だけで考えたらココナラとか使った方が圧倒的に安いやん、と思っていたんですが、その経営者の方とディスカッションしていて、そりゃあ管理することの手間とか省けば安くなるけど、それが本当に安くつくかどうかはわからないな、と思いました。

 

 この考え方、よく考えたら建設業にも共通していて、建設業も、超大手の会社が受けた仕事も、実際には何社もある下請け、孫請けが工事を行っていますよね。

単純に考えたら、孫請けだけに仕事を任せればコストは安く済みますが、そのクオリティが担保されるかという不安が残ります。私も建設業のお客さんの話を聞いていると、下請けとしてお願いする取引先にも、自社が求めているクオリティを守れる相手を選定して、仕事をこなしてもらっている。と言っていました。

 もちろん建設業でもIT企業でも、何次下請けみたいに中抜きだけの意味のない仕事の回し合いみたいな事は良い気がしないですが、そういった価値の担保ができる。という事自体が非常に価値のある仕事だとも言えます。

 

アメリカでは一般的に、建設のプロジェクトには「コンストラクション・マネジメント」という業務を行う業者が付いています。

「コンストラクション・マネジメント」とは、建設プロジェクトの企画、設計、発注、工事、引き渡しの各段階において、マネジメント技術を使って、「スケジュール管理」「コスト管理」「品質管理」「情報管理」などを行う業務です。

つまり、コンストラクション・マネジメントを行う業者は、建築主の立場に立って建築工事のコストダウンや品質改善に取り組むことで、顧客の利益を最大限にするパートナーになるわけです。

 

 当然建設業で言えば、マネジメント業務を自社で行い、安い下請けを探せばコストは下げられるかもしれません、しかし、そもそもその工事を行う業者が低コストで行う業者なのか、求めたクオリティを担保できる業者なのかの判断を自社で行うことになります。そして、複数の業者を使うことで安くできるとして、その業者間のスケジュール管理も自社で行うことになる。

 もし実際に建築を行う業者と、すべての下請けを管理する業者が一緒であれば、本当にその工事費が適正かどうかも判断が付けられなくなる。

それであれば、多少のマネジメント手数料を払ってでも、コンストラクション・マネジメントを行ってくれる業者を入れることで、コスト的な不安や、進捗管理やクオリティを守るコストを削減することができる。

 

 今後こういった「適正化」を行う業者は増えるのではないかと思います。

上記のオンライン秘書サービスも、ある意味コンストラクション・マネジメントの考え方を持っていて、多少割高でも、そのサービスの業者選定やクオリティの担保、マネジメントから離れるメリットを考えると、価格だけではない効果が見えてきます。

 

 世の中にどんどん新しいコンテンツやサービスが増え続ける中で、自分にとって何が適正なのか、本当に効果のある事がなにかを、専門家の立場でサポートする。

 そんなサービスが増えていくんじゃないでしょうか。